下等なアフタヌーンティー

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香港の中環(セントラル)。ここに最近、行列ができる飲茶(ヤムチャ)のレストランがある。「美心皇宮」というレストランだ。
そのレストランがある、旧スターフェリーピア近くの、そのあたりは、金融業界などが集まる高級オフィス街の近くなので、土・日あたりになると、逆に、店もさほど混んではいないはずなのであるが、そこに、土日にも関わらず、お昼の11時の開店前から行列ができるのだ。

ある土曜日。また開店20分前だが、行列ができている。
その中には、海外から香港に来て、空港から直行でこのレストランに向かった西洋人の観光客もいたりする。どうやら、ガイドブックにも載っている有名店のようだ。

人気の秘密は、昔ながらの飲茶スタイルで、ワゴンで点心が売られ、値段も、このあたりにしては、さほど高くなく、なかなかリーズナブルだからだ。味ももちろん悪くない。また、旧スターフェリーピア近くとあって、窓のからの景色も良い。
昔の香港を彷彿させる。そりゃあ、人気店のはずだ。

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ただ、この行列のできる飲茶レストラン、別に悪いという意味ではないのであるが、実はファーストフードもやっている大手のレストランチェーン店なのだ。別に老舗という訳ではない。(グループ自体は老舗なのだが)
今時、世界で1番家賃が高い、香港の一等地で、老舗で納得のお値段のレストランをやれるはずがない。手頃な値段の老舗レストランを、だんだん見つけるのが難しくなってきた。
中国本土などの超大金持ち御用達の超高級老舗レストランなどは、もちろん今でもあるのではあるが。

しかし、お値段がバカ高いわけで、いくら中国本土の方からの大金持ちでも馬鹿ではないので、中にはそこまでおいしいわけでもなく、ぼったくり値段を取られる店も多い香港旅行より、最近は欧州でエンジョイする中国本土の金持ちが増えたのだそう。
なんと今ではヨーロッパの国々の一流店でも、流暢なマンダリンを話す西洋人の店員を雇っているという。それがまた、彼らの優越感をくすぐるらしい。
そういえば、日本がバブルの時も、同じような傾向があったことを思い出した。

香港ではお昼過ぎになるとよく「下午茶」という看板が出るレストランを見かける。
実はこれ、「アフタヌーンティー」のことである。
しかしながら、昼下がりにアフタヌーンティーということなのではあるが、別に優雅な話ではない。
どちらかというと、優雅のかけらもなかったりする。

香港は12時過ぎから2時までのランチタイムの人混みは凄まじかったりする。
しかし、その2時以降から夜の7時までは逆に人が全く入らなかったりする。
香港の賃料は世界一なわけだがから、そのお客さんがいない「時間」も「賃料」は、発生するわけであるから、有効活用しないと、店をやっていけない。
不動産が高いということは、回転率が命ということだから、その時間帯でもお客で賑わせた方が勝ちだ。
またいつお昼を食べても良い人や、なるべく安く食事代をすませたい人にとっては、わざわざ、混んでいて割高な時間帯に食事をしても意味がない。それピーク時でない時間の食事代が安いのなら時間をずらせばいいわけだ。店によって違うが、そのピーク時ではない2時〜6時あたりというのが、「下午茶」の時間帯で、通常より、安い値段で食事を「奉仕」するわけだ。
だから、この「下午茶」を奉仕する、ちょっと昼過ぎに昼食をとったり、ちょっと早い時間に夕食をとる人も多い。
安く食べたい客と、一秒たりとも、店を回転させたいという、店側の利益が一致した時間なわけだ。だから、最初っから「軽食」や「甘いもの」ではなく、がっつり飯を食わせるところもある。

しかし店側も本当は休憩したい「下午茶」の時間帯だ。値段も安いので、おもいっきり手を抜く店もある。
このまえ、あるレストランの「下午茶」で遅い昼飯を注文した時のことだった。
「チキンレッグライス」というのがあったので、注文した。そうしたら、恐るべきものが出てきた。
何の味つけもせず、骨付きもも肉に片栗粉をまぶしただけで、揚げて、くそまずい市販のソースがかけてあった。しかも、肉に臭みがある。何の下ごしらえもしていない。それが、また、硬くなった仏様にあげた後のようなかちかちになり始めたごはんの上に1個のっているだけ。ただそれだけ。野菜も何も、飾り付けなどもない。
食べてあまりの不味さに涙が出た。心の芯まで貧しくなる。
思わず写真を撮ろうと思ったが、まあ、載せてもしょうがないので、やめた。もう二度と、その店に行かなければ良い。

余りにも悔しいので、その日、鶏肉のもも肉を買って帰り、久しぶりに唐揚げを作ってみた。しょうが、にんにく、酒、しょうゆで味付けして寝かせておき、その後、片栗粉をまぶして揚げる、シンプルなやつだ。
我ながらほれぼれする腕前。凄くうまい。あのアフタヌンティーで食べた時より、100倍は美味しかった。
その腕前から、よく冗談で、「店でもやったら」と言う友人もいるけれども、香港で飲食業に腕など関係ない。すべては不動産に関する戦略、ただそれだけだ・・・・


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