いつの間にかマネトロンがスーパーになっている

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前回書いた通り、70年代あたりを中心としたプログレ(プログレッシブ・ロック)が好きだ。アナログのシンセサイザーやメロトロンの音の方が「暖かさ」や「柔らかさ」があり、なんとなく落ち着く。

1967年から活動しているドイツのタンジェリン・ドリームは、エドガー・フローゼだけがオリジナル・メンバーとは言っても、いまだ健在だ。彼らの歴史はまさに電子楽器の歴史だ。
20年前の話だが、そのタンジェリン・ドリームが1993年に「Three Phase」というビデオで出した。それを見て当時、驚いた。
「あっ、あの大きなアナログシンセサイザーがなくなっている。PC制御でモニターを見ながら演奏している!」
いまでは当たり前だが、当時は新鮮だった。まだ、Windows3.1の時代だったからだ。
(いつの間にか
エドガー・フローゼの息子がグループに加入していたことや、彼らのスタイルであった「顧客に背を向けて演奏」していないことにも衝撃を受けたが・・)
ご存知の通りシンセサイザーはデジタル化し、進化を遂げた。ただ「音」に「硬さ」があって、最初の頃は、あまりなじめなかったが。

ただメロトロンは、時代とともにその役目を終え、余り使われなくなった。
何故ならば、音がどうのこうの言う前に、その構造から「凄く不安定な」楽器だったからだ。
簡単に言えば、鍵盤を押すと、その音階の音のテープに録音された楽器の音などが、メロトロンから鳴る仕組みなわけで、サンプラーの元祖みたいなものだ。当時の技術から言うとかなり無理がある。
そのため、演奏中にも、数々のトラブルがおこる。

昔、イエスなどで活動した、キーボード奏者のリック・ウェイクマン(そういや、デビッドボウイの名曲、「スペイス・オディティ」のメロトロンもリック・ウェイクマンだったな。イエスのビデオ「イエスイヤーズ」で、音楽業界に関する貢献ということで話していた)が、ムカツイて一部、燃やしてしまったという伝説がある。
特に「タイミング」や「音程」にうるさいキーボード奏者になればなるほど、その「トラブル」は、がまんできなかっただろいうことは、容易に想像できる。

やはり、メロトロンで1番印象深い奏者と言えば、ムーディー・ブルースのマイク・ピンダーだろう。ムーディー・ブルース自体、「世界で1番小さなオーケストラ」と呼ばれ、メロトロンを熟知していた。

当然、今では、サンプラーで代用できるわけだが、問題は、どこまで、当時のメロトロンの音を忠実に再現できるかという点だ。

iPhoneで「Manetron(マネトロン)というアプリがある。開発者が、日本人ということもあり、出た当時、即購入した。そしてその音に驚いた。まさしく、あの「音」だった。

思わず、キング・クリムゾンの「スターレス」の冒頭部分を・・・・凄い!同じ音色だ!
ムーディー・ブルースの「神秘の世界」のあの冒頭部分を・・・わあ、これも同じだ。すげえ!

感動しまくった。昔から考えると、本当に夢のようなアプリだ。
わざわざ「8秒」以上音が伸ばせないことまで再現している。

今でも、たまに疲れた時、アプリを開いて、自分で軽く弾いて和んでいる。

なかなかの完成品なので、マイナーバージョンアップがほとんどない。あれからどうなったのかなと、調べてみた。
そしたら、いつの間にか「Super Manetron」と「Super」の冠がついて、発売され直している。知らなかった。

その「Super」がまた凄い。音色も代表的な3種類から7種類に。
しかも、テープランニングのアニメーションまで追加している。
iPhoneだけでなく、iPadにも対応。
おお、Core MIDI対応になっている。
細部には、それ以上のこだわりが・・・・・

ただ、新しく作り直したということで、バージョンアップという形をとらなかったことは、別に良いのだが、ただ、ちょっとだけ、がっかりしたことがある。それは、この新しい「Super」のアプリの機能の話ではない。

マイナーバージョンアップか何かで、「重要なお知らせ」を提示するような形で、最初の頃購入したユーザーに、期間限定特別バーゲンを知らせてくれてもよかったのにと思った。何故なら、以前にこのアプリを購入した人は、これを機会にぜひこのスーパーに即座に乗り換えたいと思うだろうから。

あの素晴らしいアプリが出た後、もっと、高機能なマニアックなものが欲しいと思った人達はたくさんいたはずなのだ。たぶん、この「Super」に関しても、まだ知らない過去購入した人達が、たくさんいるだろう。そのあたりが、少し残念であった。

海外の「良心的」な有名なアプリでは、マイナーバージョンアップというこで、ユーザーに気付かせ、そういう風にアプリで告知するケースが一般的だ。
別物としてしらんぷりして出すやり方は、中国系が多く、何度もひどいめにあっているので、その事実を知った時、ちょっと、そういうやつかと勘違いして、一瞬、ムカっとした。
以前のやつを85円に値下げするより、その方が良かったかと思う。

もし、おもちゃ代わりにいじる程度なら、この以前のやつで十二分だ。しかも、85円だ。これだけでも、感動間違いなしの素晴らしいアプリだ。
しかし、この「Super」は、それ以上に、メロトロンの思い入れをかんじさせる「こだわり」の音楽アプリということには間違いない。そして、さらに「実用的」だ。
その「価値」は、はかりしれない。よく、ここまで作り上げたと思う。本当に素晴らしいアプリだ。

85円のやつを購入しても、逆に「Super」の方が欲しくなること間違いなしであろう。85円は、とりあえず有料お試し版といった位置づけかもしれない。

Super Manetron App
カテゴリ: ミュージック
価格: ¥700


Manetron(マネトロン):メロトロン・シミュレーター App
カテゴリ: ミュージック
(追記:このアプリは、現在販売は終了しているようです)

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