Appleが10年ぶりの減益だそうで

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ご存知の通り、Appleが第二四半期の決算(1−3月)を発表したが、売上は前年同月期で11%増えたものの、純利益は18%減で、これは、10年ぶりの減益だそうだ。

逆に、今まで10年間、増益を続けていたこと自体が脅威だ。しかしながら、事前のアナリスト予想より良かったことや株主還元拡大を発表したことから、逆に株価は若干上昇し、最近割った400ドル台に回復と、いうことになった。

地域別の売上を見ていくと、やはりアジア地域の伸び率が高い、というか、ここ最近、ちゃんとアジア地域を精力的に伸ばす努力をしている結果であると思う。

以前から、書いているが、クック氏はAppleにおいて、本当に素晴らしい経営者だと思う。もし、クック氏でなかったら、なんだかんだ言っても、Appleが今の地位を保っているとは思わない。
Appleは以前に比べ、遥かに巨大となった。その巨大な会社を見事にコントロールしている。
前回の中国の批判に対する反応も見事だった。何が重要かも、よくわかっている。

ただ、当たり前の話ではあるが、「素晴らしい経営者=素晴らしいイノベーター」ではない。また、彼、一人の力で、Apple全体が、すべて、動いているわけではない。

以前の「ジョブズ・クック体制」は、Appleにとって本当にベストの体制であった。
何故なら、給料を年1ドルしかもらわない、クレイマーとも思われるような自分の趣味を押し付ける消費者・株主の代表のような、そしてイノベーターでもある、わがままなCEOの故ジョブズ氏の下で、実質の「経営トップ」ともいうべきクック氏が、その思いをうまい具合に取り入れて、「現実的」に、会社をきりもりしていたからだ。

すでに日本企業が忘れてしまった、顧客本位の本来の「日本的経営」の究極の姿のような体制であったかと思う。

経営は「現実」であり、「理想」ではない。理想の前に、「会社」がある。そして経営者は、会社のことを第一に考える。株主のこともである。それは当たり前だ。

順位としては、まず、会社ありきであり、そして株主であり、最後に顧客が来る。
逆に言えば、会社がちゃんと機能し利益がちゃんと出て、株主が満足できる状況ならば、まあある程 度、顧客が若干不服を持っているとしても、それは、良いことなのだ。

しかし、この会社は、以前は、トップに、口うるさい、アップル製品「マニア」の頂点というべきジョブズ氏がいた。彼は CEOだ。クック氏は逆らえない。つまり、ジョブズ氏という「顧客の象徴」的存在、「真の」顧客主義にたった経営だったのだ。
しかも、ジョブズ氏は報酬を保険のた めに1ドルしか受け取らなかったし、持株のアップルの株は、当時配当をしていない、無配株だ。

だからこそ「奇跡」を産んできたわけなのだ。

その昔、スカリー氏がトップのCEOだったから、ジョブズ氏は追い出されるという結果となった。経営者の下に、Appleの「製品」を中心に考えるジョブズ氏がいたからだ。もちろん、その時のジョブズ氏の落ち度は十分あった。しかし、この経験と反省があったからこそ、あの究極の素晴らしい、 「ジョブズ・クック体制」が出来上がったのだろう。

そのジョブズ氏がいなくなった今、幸いなことに、まだ、素晴らしい経営者のクック氏がいる。ただ、後に、たとえ、素晴らしいイノベーターが氷角を表してきても、彼の下である。彼は「経営者」として、ベストの道を選ぶ。イノベーターとしてではない。

ジョブズ氏は、たぶんAppleの製品を「自分の子供のように」愛していた。クック氏は、Appleの製品を「誇り」に思っていると思う。ただ、それはよく似ているが実は、「似て非なるもの」だ。

「Appleはソニーのようにならない」という話がよく出てくるが、あくまで、「今のままで」は、ならない。ただ、良くも悪くも、現在、大きなターニングポイントだ。

ただ、今のAppleの現実は、クック氏が考えている以上に、「やっかい」なのかもしれない。最近、本当に、Appleの「革新」どころか、いろいろなスピードが遅くなってきていると実感するが、それは、Appleという、大きな船のどこかに、小さな穴があってそこから水が入ってきているのかもしれない。大した穴でなくとも、時間がたって、それが大きな穴となり、知らないうちに、船が沈没とならないことを、願うばかりである。

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